朝食は、バイキング方式ですが、夕食の時と替わり映えのしないメニューです。 早朝、ラウディネラホテルからサンモリッツ駅までツアーバスで移動します。 トランクなどの荷物はツアーバスに残してレイティッシュ鉄道の氷河特急に乗車します。 2等車両のパノラマカーに乗車して8時51分、サンモリッツ駅を出発します。 サンモリッツでは小雨が降っていましたが、行程途中は、曇りの天気だったのでアルプスの景観が堪能できました。 ちなみにツアーバスは、先行して降車するアンデルマット駅に向かいます。 列車には5時間の乗車で、車両内での昼食はスイスの郷土料理のゲシュネッツェルテス が出てきましたが、味気が無く全て食べることができませんでした。 デザートは、甘すぎて喉が渇きました。
氷河特急の見所は、フィルズール駅に程近い世界遺産のランドバッサー橋です。 こちらも旅番組では、必ず取り上げられるスイス旅行最大の観光スポットです。 橋脚は、高さ65m、長さ136mでトンネルを抜けた直後に撮影の瞬間が訪れます。 車両の最後尾の車掌窓から撮影チャンスを狙いましたが、乗客の皆が撮影しようとカメラだけを差し出しています。 窓から顔が出ていないので撮影タイミングを逃します。落胆していると妻がカメラの画像を見せに来ます。 妻には最後尾の中央窓で待機する様に言ってあったのですが、思い掛けずベスト写真を撮っていました。 GLACIER EXPRESSのガラス文字が小憎らしい演出です。
ランドバッサー橋から1時間後、クール駅(585m)でラックレール方式(歯車式レール)の機関車両に入れ替わります。 進行方向もスイッチバックして山岳ルート最高地点(2033m)まで登っていきます。標高差は、1448mです。 途中のディセンティス駅に到着しますが、ここで鉄道会社がレーティッシュ鉄道から マッターホルン・ゴットタルド鉄道に入れ替わり機関車両が入れ替わります。 全工程で291kmですので天気も変化していきますが、きょうの天気は雨予報ですので晴れ間は見えません。
私たちの鉄道旅は、アルプスのT路路と呼ばれているアンデルマットで終了します。 アンデルマット駅の駐車場には、ツアーバスが待ち受けています。 ツアーバスは、ツェルマットに向けて南下していきますが、途中フルカ峠下のローヌ氷河にトイレ休憩に立ち寄ります。 20年ほど前までは、下を通過する氷河特急からローヌ氷河が見えていたので氷河特急と命名されていましたが、 現在は、ローヌ氷河の入口のこの地点からも氷河の最終端が遠くに見えます。悲しい限りです。 展望ハウスの下からは、マーモットの鳴き声が山々に響いています。 グリムゼル峠に続くローヌ渓谷の崖を見下ろすと毛深い2匹のマーモットが確認できました。
ツアーバスは更に南下しミシャベルアルプスの見えるサースフェー(1803m)にトイレ休憩に立ち寄ります。 スイス国内最高峰のドーム(4545m)を含む4000m級の山々とサース谷のフェー氷河などの氷河に囲まれた村です。 此処から見えるミシャベルアルプスが五大名峰のひとつです。 アルプスの山々は、雨により霧に包まれていましたが、一瞬でしたが山並みが確認できました。 村内は、電気自動車でないと走行できないそうです。村内には、木造の小屋が集められ村の景観を形成しています。 村内を歩いて散策しますが、あいにくの雨で散策も10mほどで引き返してきました。 帰路で見つけた近くのスーパーマーケットでフラットピーチという平べったい桃を見つけて購入しました。 日本では見かけない品種でしたが、1スイスフランだったので買ってみました。
ツアーバスは、環境保全のためガソリン車なのでツェルマットの街には入場できません。 1つ前のテーシュ駅からツェルマット駅まで鉄道に乗り換えてツェルマット駅に降り立ちます。 駅前広場で電気自動車の荷物タクシーにトランク類を預けて徒歩でアルペンリゾートホテルに向かいます。 雨上がりの道路を歩く日本人旅行者一団の横を電気自動車のトラックやタクシーが行き来しています。
部屋は、ホテル別棟の2階ですが、窓からマッターホルンの中腹が見え隠れしています。 部屋の外には、目線の高さにジャグジーがあって入浴客から丸見えの状態でカーテンが開けられません。 夕食は、ホテル内のレストランでコース料理を頂きました。 食事後、ロビーからマッターホルンを眺めますが、雲の切れ間から山の中腹が覗いているだけです。
翌朝、ホテルから徒歩でツェルマット駅(1604m)の向かいにあるマッターホルン・ゴルナグラート鉄道の ツェルマット駅に向かいます。山岳ガイドの渡辺さんに案内されて登山車両に乗り込みマッターホルン観光に出掛けます。 途中、最急勾配の126パーセルのラック区間があるのでラックレール2条のアプト式で斜面を登っていきます。
登山鉄道は、街中を抜けてゆっくりとラックレールを使って斜面を登っていきます。 終着駅のゴルナグラート駅(3089m)では、マッターホルン(4478m)の雲が切れて雄大な景観を堪能できました。 ここで五大峰の3つ目マッターホルンもクリアーできました。山頂の気温は、13℃、スイスとイタリアの国境が通り イタリア語では「モント・チェルヴィーノ」(鹿の角)、フランス語では「モン・セルヴァン」、と呼ばれています。
線路の傾きに対応し踏ん張るほどの斜面を登っていくと展望ドームの建物の更に上の展望台に到達します。 マッターホルンやモンテローザにミシャベルアルプスなど3000m級の山々が360°見渡せます。 ゴルナグラート駅のゴルナー氷河の南東の先には、アルプス山脈で2番目に高いモンテ・ローザ(4634m)がそびえています。 山裾には名前も解からない氷河が無数に点在していますが、スイス国内の一部を眺めているだけです。壮大過ぎます。
40分の自由時間の後、ゴルナグラート駅から1つ下の駅ローテンボーテン駅までの下り登山です。 行程はなだらかな下りですが、体調が優れません。おそらく風邪に伴い高山病になりかかっている模様。 皆が逆さマッターホルンの撮影に雲が切れるのを待っている間小高い岩の上で座って休息しました。 暫く歩いていると小高い丘の上で鳴き声がしたので、カメラで拡大するとマーモットがこちらに向け叫んでいました。
ローテンボーテン駅に辿り着きツアーハイキングが終了しました。 ガイドの山極さんと自分達を含め5名を残し他のメンバーは、登山鉄道に乗り込み下山します。 トイレ休憩がてらレストランに入って食事のメニューを選びますが、体調が優れず一皿食べきる食欲がありません。 レストランを出て駅のベンチに座り日本から持参していたアンパンを食べてお腹を満たします。 いつもながらに海外の食事が合わないので持参する食材に救われています。 ローテンボーテン駅の下にあるフーリー行きのロープウェイに乗車してフーリーに辿り着きます。 当初、ロープウェイを乗り継いでマッターホルン近くのクライン・マッターホルン(3818mm)まで上る予定でしたが、 マッターホルンに掛かった雲が切れない、なんとなく2人とも体調が優れない スイス旅行者半額サービスがチケット売り場で対応できなかったりなど断念する要素満載で計画変更する事にしました。
予定を変更してフーリーからツェルマットまでの5kmを下りハイキングすることにしました。 途中、つたない英語で登山者にツェルマットの道程を確認しながら下っていきます。 ツェルマットに近づくとマッターホルンを眺める為のベンチや公園が所々に点在しています。 マッターホルンの雲が切れるのを待ちながら公園の寝椅子に座って40分程熟睡してしまいました。 とても快適に休憩できたので、体調も回復してツェルマットの市街をショッピングを兼ねて散策していきます。 部屋に帰って食事に出掛ける元気がなかったので持参したカップうどんとレトルトのおにぎりに スーパーマーケットで購入したフラットピーチを食べました。平べったいので食べやすい形状が気に入りました。
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